2011年11月12日

Tangible User InterfaceとipadとX-info Table

リフレッシュ休暇は結局のところ部屋の片付けで終わってしまった。
何かに邪魔されることなく片付けに専念した結果、かなりのものを整理し捨てることができた。
年度末には引っ越しも予定しているし、ある意味よい休暇の使い方だったと思う。
ただ考えていた休暇の使い方とは違っていて、まるで夏休みを終えた受験生のようにちょっと不満は残るが。

片付けをしながらこれまでHDDレコーダーに記録していたテレビ番組を見ていた。
その中でITホワイトボックスを再生していたところ「Tangible User Interface」の放送があった。

Tangible User Interfaceとはユーザーインタフェースの考え方の一つで、少し古い記事ながら下記が参考になる。
実体を持つデバイスに物理的に触れることにより、操作を直感的に知覚できるインターフェイス。TUI は、CUI と GUI によってモニターの中に追いやられてしまった操作感を、もう一度人間の手に還元しようとしている。その原点はそろばんであり、自動車のステアリングなども TUI の一例だ。自動車の場合、ステアリングのきり具合が車の曲がり方にダイレクトに反映し、それが直感的な操作性を実現している。これをいかに IT 分野に応用するか、研究が進められている。
→実体を持つ次世代インターフェイス、「Tangible User Interface」


つまり文字だけのインタフェースだったCUI、現在主流のマウスを使って操作するGUIの次にあるインタフェースとして、TUIが提唱されている。
番組ではこれを推進しているMITの石井教授をゲストに話を進めていた。

ネットで検索してみるとMITのページに様々な形のTUI研究結果がmovieとして公開されている。
 Tangible Media Group - Projects
また、NTTコムウェアによる製品化事例も見つけることができる。
 タンジブル防災シミュレータ


番組ではTUIのすばらしい未来に向けたコメントで終始していたが、実際のところTUIが世の中に広まるにはいろいろと障害が多そうだ。
何より物理的なインタフェースを規定するということは、用途用途に応じた製品を個々に製造する必要があり、その手間はGUI内にデザインしていくことと比べると膨大な手間とコストがかかる。
また昨今では当然となったオープンソースにおける多人数の開発寄与による全体の品質向上などは、物理的なものを対象としている限り同様のものは見込めない。

さらに、現在主流となっているiPadに代表されるタブレット端末を考えると、無理して物理的なインタフェースにこだわらなくとも、十分直感的なインタフェースをGUIの延長として提供できるのではないかとも感じる。
TUIが一般的なインタフェースとして世の中に認知されたとしても、利用できる範囲はかなり限られるのではないかというのが率直な感想だ。

そんな中、NECからおもしろい製品が発表された。
 NEC、52型マルチタッチ・ディスプレイを採用した大型タブレット端末「X-info Table」を発売
 NEC、52インチ画面のテーブル型タブレット「X-info Table」を発売

「発表された」なんて第3者的な立場で書いているが、私自身おそらく数少ない実機デモの体験者である。

実際目の前でデモンストレーションをしてもらい、手で触った感想としては「大きなiPad」という表現がぴったりくる製品であった。
ネット上を検索してみると、「160kgでタブレット端末なんて無理矢理過ぎる(笑)」なんて言葉の定義がわかっていないであろう、どちらが(笑)なのかわからない紹介があったり、相変わらず揚げ足取りばかりで本質的なことを見ていない2chまとめ紹介があったりで、とにかくあまり好意的な評判はなさそうではある。

とはいえ、実際に動いているところを見たことがなければ、それの持つ様々な機能や可能性を知ることも出来ず
 ・テーブルに段差がある
 ・同時認識点数がiPadの11点より少ない10点
 ・プロジェクターでよい
 ・反射で見にくい
 ・WindowsじゃなくてiOSにしたら
などなど、実際に現場で製品開発に関わったことがない大学生レベルの思いつき発言が多いのも理解できなくはない。
確かにこの製品が非常にすばらしい出来という訳ではないだろうが、それでもこれまでになかった(市場に出ていない)コンセプトでシステム構築等、新たな展開を考えることが出来る材料であることには違いない。

ただ、私自身、システム構築に携わる身として少し考えてみたものの、あれば便利だが、「これでないとできない機能」というものが思いつかずに困っている。
費用についても開発部門に聞いたところそれほど安いものでもないので、余計に提案に困る。

単なる「おもしろいおもちゃ」にしないためにも、我々のようなシステム構築部門が利用法などに頭を絞るべきなのだが、なかなかgood ideaは思いつかないままだ。
posted by K大 at 15:46 | Comment(3) | TrackBack(0) | ネット生活
この記事へのコメント
お久しぶり。
机型のタブレットは、007の映画の会議シーンで出てきたよ。
皆で画面を共有するためのプロジェクタと、手元で個人で見るための印刷した配布資料を合わせたようなものになってるよ。
http://www.youtube.com/watch?v=XfwHysrPfBc
ただ、現状のタッチパネルの操作性とコストを考えると、まだプロジェクタと紙には勝てないね。
Posted by いわた at 2011年11月12日 23:55
久しぶりー。

載せてくれたyoutubeの動画はまさしく本エントリ内の製品のイメージに近いね。
各種の資料をピンチアウトしたり、並べたり、書き込んだりする様を、その場だったり遠隔地だったりのプロジェクタへ必要な部分を投影して話を進める。
あるいは製品を2台つないで、同じ画面を共有しながら、同じ画面に書き込み、資料を動かし、議論を深める。
007の操作ほど洗練された動きは、誰にでもわかる操作感からかえって離れてしまうので、そこまではいけないけどね。

私が説明を受けたデモでは、個人の資料としては紙ではなく、iPadを使っていて、机を直接見られない人の手元で同じ画面を共有させていたように思う。
結局どういう決定がなされたのかの画面をスクリーンショットで保存することで、全員が合意した画面を全員が手元に持っているようなイメージだね。

我々の共通言語で語るなら「ミソロジー」の戦略をみんなで囲みながら考えたり、ゲームの振り返りをそこで行うと面白そう。
そういう場面って、みんなでわいがやしながら線引っ張ったり、いくつかのパターンを検討してみたりするから、こういう製品がぴったりなんだよね。

ただ、問題は指摘されているとおりコスト。こればっかりはすぐにどうこうできるものでもないなー。
Posted by K大 at 2011年11月13日 02:40
こんばんわー。
先日WBSのトレたまで取り上げられていた商品やね。
最近シャープもよく似た商品を出してCMも流れてた。
http://www.sharp.co.jp/lcd-display/corporate/lineup/index.html
各企業が会議内容の充実を課題にしていろいろな商品が出てるけど、自身が見たり体験したりの経験で言えば司会、進行する人のスキルでかなり会議内容、討論内容の充実差が決まってしまうから商品提案と一緒にそのスキルをあげるレクチャーなんかもセットで販売提供すると企業としては導入する価値を見出せるかも。
Posted by なかの at 2011年12月23日 01:14
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/50305179
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。