2009年09月28日

【読了】終戦のローレライ1−4【三】

映画化を前提として書かれた小説。
一言でいうと「終戦を舞台にしたファンタジー小説」ぐらいか。

◆ざっくりした内容
音で周りの状況を窺うことしかできない潜水艦にあって、通称ローレライと呼ばれる、周囲を3次元可視化できるシステムを持った潜水艦がドイツからもたらされた。
敵である米国と手を結ぶことで、広島・長崎に続き3つめの原子爆弾を落とし日本にあるべき終戦の形をもたらそうと画策する将校。
ローレライを持つ潜水艦・伊507の乗員はこのたくらみを防ぎ、多くの国民の命を救うことができるか。
文庫本4冊で合計1700ページ。
長い話ではあるが、魅力的なストーリー運びとテンポの良さでそれほど長さを感じさせない。
戦争に対する考えも、登場人物の葛藤を通してよく語られており、それぞれの立場でそれぞれの戦争が深く考察されている。
映画化を前提として書かれた割に、映画の評判はよくなかったが、小説はそれなりに楽しめる。
無論「ファンタジー小説」として、だが。

先日読んだ「亡国のイージス」でも感じたが、著者の小説では人間が死にすぎる。
しかもその描写が不必要に詳しい。
当然、戦争・戦闘を扱っている以上、避けては通れないと思うし、これをなくすと薄っぺらくなってしまうのかもしれないが、読者としては正直げんなりしてしまう。
「ローレライ」はまだましだったが、「イージス」は読後感最悪。人にお勧めできない。

また、潜水艦をテーマにした有名なものとして「沈黙の艦隊」がある。
これに比べると、戦闘シーンや潜水艦独特の駆け引きなどは、魅力を感じない。
さらに、私の読み込みがたりないせいか、場面や設備描写が十分ではないように感じた。
頭の中に浮かんでくるイメージはあまりにぼやけていて、何がどうなったのか結果だけを追うような読み方になってしまった。
おそらく綿密な資料を元に書かれているとは思うが、挿絵の一つぐらいどこかに挿入しておけばもっと違う読み方ができたかもしれない。

総じて、可もなく不可もなくといった印象。
とはいえ、4冊合わせて420円で購入したにしては、十分楽しめたが。


posted by K大 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を楽しむ
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