2009年07月20日

【読了】もっとも美しい数学 ゲーム理論【弐】

最近読んだ本の記録。

Amazonより
自分の利益を最大にするには、どう行動すればいい?「ゲーム理論」がその答を教えてくれる。アダム・スミス、フォン・ノイマン、ジョン・ナッシュ…科学の歴史を彩る天才たちがかたちづくった「ゲーム理論」は、先端科学と結びつき、彼らの予想を上回る成果を生み出した―。自分以外の人々はどう行動するのか。世界は将来、どうなっていくのか。人類がずっと夢見てきた難問を解く「もっとも美しい数学」。その歩みと可能性が一冊でわかる平易でスリリングな快著。

第1章 アダム・スミスの「手」―経済と科学の融合
第2章 フォン・ノイマンの「ゲーム」―ゲーム理論の誕生
第3章 ジョン・ナッシュの「均衡」―ゲーム理論の基礎
第4章 メイナード・スミスの「戦略」―生物学とゲーム理論
第5章 ジークムント・フロイトの「夢」―脳神経学とゲーム理論
第6章 ハリ・セルダンの「解」―人類学とゲーム理論
第7章 ケトレーの「統計」、マクスウェルの「分子」―社会物理学の誕生
第8章 ケヴィン・ベーコンの「つながり」―ネットワークとゲーム理論
第9章 アイザック・アシモフの「ヴィジョン」―社会物理学とゲーム理論
第10章 デイヴィッド・マイヤーの「コイン」―量子力学とゲーム理論
第11章 ブレーズ・パスカルの「賭け」―確率論、統計力学とゲーム理論


Amazonのレビュアーによると、非常に評価が高い本書。
ただ、私が断片的な時間で読んでいったからか、それとも読解力が低いせいか、それほどの内容を感じなかった。

確かにゲーム理論について、その基本となる応用分野・経済学を超えて、目次にあるように生物学・脳神経学・人類学から果ては量子力学に至るまで、その応用分野が広がっているという大きな流れは理解できた。

そもそもゲーム理論とは目的を持つ複数の行動主体が目的達成に向け、他者の動きを含めて、全体の振る舞いを研究する学問である。
よって、経済学に限らず生物学等に応用が広がることは容易に予想できるが、これが「実は量子力学にまで発展するのだ」となると驚きなのだが、本書を読んでみてもいまいち内容がよくわからない。

なぜか。
一つには理論の説明がおおざっぱすぎるのだろう。
それなりの素養がある人にはよく理解できるのだろうが、私のようなぼんくらでは、「?」がたまるだけで、理解するのは難しい。
もちろん、最先端の複雑な学問故、なかなか素人にすっきりと理解させるのが難しいのはわかる。
だが、これでは私のような読者は置いてけぼりを食うだけで、さっぱり納得できないし、楽しめない。注にあげられている論文を読む気力もない。

また、話の流れが著者の頭の中を行ったり来たりしているみたいで、構造的な把握がしにくい。
AはBを考えた。ところがBはかなり前にCによって考え出されていた。Cはどこそこに生まれ、こんな人で、こんなことを考えた。そこでAはBを発展させてDを考えたが、そこにはEの協力が必要だった。Eはどこそこに生まれ、こんな人で、こんな業績があった。

…などなど。
さらに、話の内容にゲーム理論とは直接関係ない雑学的なものが多数含まれていることが、さらに話の流れをわかりにくくしている。

こうなってくると、ちょっとしたことについてもうんざりしてしまって、たとえば
私が○○研究所を訪ねたときだった。
「それはね」Aは言った。「…とは違うことなんだ。」
しかし、…と違うことなんてあるんだろうか。
「そうはいっても」Aは続けた「…ということとも言い換えることが出来る。」
など。
どうして翻訳者は英文をそのまま訳すような表現にしたのか、理解できない。日本語的にこの構造に意味があるのか?

予想していたことではあるが、本書は「ゲーム理論」を解説するのではなく、「ゲーム理論の可能性」を解説する本なので、ゲーム理論について本書で十分知ることは出来ない。
私の所有する本書のカバー折り返しには
知的スリル満点、ゲーム理論入門の決定版!

などとあるが、とても入門レベルではないし、この言葉を信じてゲーム理論入門者が読んで興味を失うとしたらもったいない。

私が今後のために記憶にとどめておこうかと思ったのは第4章〜第6章。
そのほかは流し読みする程度だった。
逆に言えば、第4章〜第6章は理解を助ける具体例もあるため、読んでいても楽しい。

人間社会の未来を予想するために、人間一人一人をプレイヤーとして扱うのではなく、ある程度のまとまりを統計力学的に捉え、社会の行く末を検討するという方向性は興味深い。
いつか別の機会に同じような話に興味を持ったときには、本書の記述を読み返すことがあるかもしれない。

posted by K大 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本を楽しむ
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