2008年11月03日

過去を裁く

私が「三国志」好きであることを知る人は少ない。
私のことを知る人はもっと少ない。

一口に「三国志」と言っても、日本にはいくつかの種類がある。
事実上の底本となっている「吉川英治」によるものを始め、横山光輝による漫画三国志、北方謙三による三国志、ゲームの三国無双などなど、その数は多い。
私が三国志を初めて読んだのは中学生の頃、吉川三国志だった。
何気なく親の本棚を眺めていたら古めかしい単行本が出てきて、これも何気なく読み始めたらあまりの面白さに止まらなかった。試験期間中だったのに…。
しかし、このおかげでセンター試験までのつきあいになる漢文には苦手意識を感じなかったので、まあよしとしよう。

それ以来、親の持ち物であった三国志を自分の本棚に取り込み、大学時代はもちろん、今でも傍らの本棚に収まっている。
通算5回ぐらいは読んだか。

最近、その三国志中でも随一の場面である「赤壁の戦い」を題材にした映画が公開されている。

レッドクリフlogo


ここ1ヶ月ほど、通勤列車の吊り広告や壁の広告にも宣伝があったので気になっていた。
もちろん映画の公開を気にしたのと、もう一つ、曹操の扱いについてだ。

曹操とは三国志中、もっとも強大な国力を誇った魏の国を打ち立てた人物である。
「治世の能臣、乱世の奸雄」(平和な世の中では優秀な臣下、戦乱の世では『奸雄』(悪知恵で英雄になった人、ようはずる賢い、邪な英雄))と評され、意味はよくないもののそれだけ能力があったことが伺える。

で、上述の映画の広告では曹操が完全な悪者として扱われていた。これは、劉備の蜀や孫権の呉を滅ぼそうと公称100万の軍隊で攻めてきた(結局赤壁で大敗してしまうが)ことを指して言っている。
元々、中国でも曹操は悪者として扱われることが多いとは知っているが、やはり違和感がある。

曹操にしても、第2次世界大戦に関しても、あれは侵略だとか慰安婦は完全な悪だとかいろいろ話は聞くが、基本的に今の価値観で当時を裁くことは間違っている。
もちろん、今の価値観からすると間違ったことだったと認めることは必要で、有益ではあるが、だからといって当時の出来事がすべて間違っていて指導者が無能だったかのような話は聞いていて気分が悪い。

その当時にはその当時の価値観があり、それぞれの立場で正義があった。
その中で人々は、今の自分たちや未来の子孫たちのために必死に生きてきたはずである。
それらを完全に無視して、あいつは悪者だと、現在の正義観を一方的に押しつけるのは間違っている。

曹操にしても同じ。
自らの国を脅かす存在をつぶすのは、別に間違った思考ではない。
戦争に対する世間の価値観も違う。
できれば勧善懲悪ではなく、三者三様の正義と企みがあったという話にして欲しいのだが、実際の映画はどうなんだろう。
映画館に行けるかどうかはわからないが、必ず見ておきたい映画である。

ちなみに私が好きな武将は関羽。(あまりに月並みか…)
posted by K大 at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々雑感
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