2005年10月24日

受験生支援バトン・中編(長文注意)

さて,続き.

昨日の話は,私が受験生に伝えたいこととして,以下の三つを挙げたのだった.
・浪人を恐れてはいけない

・何を勉強したいのかぐらいは明確にしてから受験せよ

・就職まで見据えられるとGood



では,今日は一つずつ,思うことを詳しく書いてみる.
長くなったので,見る人は注意.(具体的にどう注意するかは知らん)

なお,私は現在電子・機械系の研究室にて学生生活を送っているため,特に断りがない限り,文系はもちろん,建築系や化学系や環境系とは事情が異なるかもしれないが,了承願いたい.



まず一点目:浪人を恐れてはいけない

浪人を不必要に恐れるあまり,合格するか否かで受験先を決める人間が多い.
きっとこれは二点目以降とも関係している.
すなわち,自分の中で何を勉強したいかの明確な目的がないから,受験基準がそこにきてしまうのであろう.

浪人した経験から言わせてもらうと,浪人期間とは決して無駄な時間ではない.
まあもちろん,浪人したはいいが,あまり勉強せずに無駄な期間としてしまう人間もいる.
きっと目標なく浪人したか,性格的に勉強に向かないとか一つのことに取り組めないとか,そんなことだろう.語るに及ばない.

言及するまでもなく,浪人時代は勉強一筋に集中できる.
私も浪人中,夏休みを終えたこの時期は,現役時代朝練に行くのと同じ列車(6:30頃発)に乗り,終電の一本前で帰る生活を続けていた.
人生の中で最も勉強した期間といってよい.

家族も全力で協力してくれる.
親は金銭的援助のみならず,朝早くとも毎日弁当を用意し,夜遅くとも夕飯を用意してくれた.
祖父母は,私が気にしなくてよいと言ったにも関わらず,風邪をうつしてはいけないと,私が在宅中はほとんど部屋から出てこなかったこともあった.
これらがあるからこそ,勉強に専念でき,志望学科に進学できたし,大学でも落ちこぼれることなく勉強できたのだ.

大学に入ってしまえば,1年の差などないに等しい.
部活やバイトに狂って留年しても意に介さない人間もいれば,社会に出たくないとかで自ら大学に留まり続ける馬鹿者もいる(らしい).
きっと社会に出れば,さらに関係なくなるだろう.

本当は国公立志望なのに,妥協して進学した先がもし私立であったら,昨日も述べたように金銭面から浪人は有利である.
もちろん,浪人後無事に合格するとしてだが.

「浪人によって失った1年を,社会での1年に置き換えたら損失は大きくなる」との反論も予想されるが,これは結果論でしかない.
妥協した進学先と,浪人した後の進学先とでは,環境や本人のやる気が全く違う.
にも関わらず,同じ収入を得られる職に就けるかどうかは未知数だ.
そんな不安定な予測に頼って,金銭的に不利な方面に行くよりも,学費の差という確実な利益を得た方がよい.

きっと妥協した進学先というのは,いわゆる偏差値的にも本命より低いことが予想される.
ここでの自分を取り巻く環境,特に人の質の違いというのは大きい.
もちろん,偏差値だけで人格・性格を云々するつもりはさらさらないが,偏差値が高いということも立派なその人の特技・性質である.

思い返してみると,大学の友人らは性格的にはいろいろあっても,能力・特に勉強や研究に関して明らかに劣っている人間など1人もいない.
その中には努力によってそれを築いた人間もいれば,いわゆる「頭のできが違う」人間もいる.
私のように,幸運もあった上でぎりぎり引っかかって入学できた人間にとっては,こういう人たちと触れあうことは大きなプラスである.

以上,私が浪人に対して思うメリットを挙げてみた.
しかし,浪人のデメリットを否定するつもりはない.
結局はその人の価値基準によるのだろうが,こういう考え方もあることを知ってもらえるとうれしい.







さて続いて,二点目:何を勉強したいのかぐらいは明確にしてから受験せよ

まあ,読んで字のごとくである.
要は大学進学を,遊ぶためとか実家から離れたいとかの理由で決めたところで,薄っぺらい学生生活で終わるだけだぞといいたいのである.

あくまで大学は勉強するために行くところ.
「遊びに行きたいんです!(^∀^)ゝ”」
なんて言って,快く学費を出してくれる親などいるだろうか.
少なくとも私が親なら,そんな奴に数百万の金を投資する気にはならない.

どのようなことを勉強したいのか,その大筋ぐらいはしっかりと話せるようにしてから受験すべし.

ただし,あまり細かいところまで突っ込みすぎるのは後で苦しい目にあうと思う.
「俺は絶対この研究室に入って,○○の研究をする!」
なんて言ってみたところで,そこまで達するにはまだ3年ほどの時間がかかるのだ.

研究室配属は人数制限もあるから,希望が通らないことも多い.
配属面談でもしてくれればいいが,いい加減な教授だとじゃんけんで決めさせられることもある.(うちの学科で過去にあったと聞いたことが…)
面談してくれたところで,自分より優秀な奴が同じように志望していたら,教授だって優秀な方をとるだろう.
さらに厳しくつっこめば,同じ研究室でもいろいろなテーマがあるので,自分が志望するテーマで研究させてもらえるかなんて全くわからんのだ.

さらに困ったことには,教授の異動が頻繁にあることだ.
特に国立は私立よりも,定年が厳しいので,すぐにどこぞの私立へ天下ってしまう.

私の入学時,今所属している研究室は
  教授:ロボットの,油圧&画像(視覚)処理関係
  助教授:熱流体工学関係
をやっていたが,私が配属されるときには助教授は昇進して別学科へ研究室を持ち独立.
教授は油圧をさっぱりやめて,画像処理関係とからくりの専門家になっていた.
さらに新たな助教授と助手を迎えた関係で,情報処理や分散制御系の研究が始まり,去年教授が突然,工業高校の校長として天下ってしまった.
このように,先生の入れ替わりで研究内容などあっという間に変わる.

また,特に工学部機械系の研究というのは,自ら新しいことを生み出すのが難しい.
例えば,制御関係は古典制御・現代制御に精通していないと新たな理論など考えられるわけもない(というかこれまでの制御理論を完全に理解するのは普通の学士・修士程度では無理ではないか…).
かなり高等な数学理論を使いこなして初めて,次の段階への足がかりができるのである.
よって,この方面で自分の成果を出すことは非常に難しい.

カーボンナノチューブや田中耕一氏のノーベル賞などの話であるように,化学系に見られる「セレンディピティ(全くの偶然から重大な発見や発明を行うこと)」的大発見というものは,機械系にはない.
あくまで地道に数学的考察を築き上げた上に新たな理論が作られるのであり,それは我々学生が逆立ちしても とうてい到達し得ない境地である.

となると,多くの研究者が行っていることは,既存の研究成果をいかに高めることができるか,または他分野の研究成果をどのように工学的見地から生かすかなどである.
全く新たな理論を作ることから見ると,少しぱっとしないようだが,どうしてこれもなかなか難しい研究であり,うまくいけば一気に実用化まで持って行けることが魅力である.
私が行っている研究も,情報分野の言語モデルをどうにかしてシステムの故障診断に生かそうとするものであるし,これぐらいでも海外の論文誌に投稿するぐらいの成果は出るのである.(英語を書くのがいやで逃げてるけど,助教授がしつこい…)

ちょっと思うままに書きすぎて,私事に話がそれすぎたが,研究室や内容まで絞ってもあまり意味がないから,大まかな道を間違わないように今のうちにしっかり考えなさいよ,ということだ.
中には学部選択を間違えて,後で転学部しようと四苦八苦する者もいるから,その二の舞にならないように.

再び,私事だが,当初,航空学科の勉強(研究)をと考えて大学に来たものの,
大学の研究は基礎研究ばかりで時間と費用はかかるくせにあまり面白くないことを知って,より面白そうな他分野の研究室に所属することにした.
このように大まかな道筋さえ間違っていなければ,他に面白そうなことも見つかるし,微修正ならばいくらでもきく.

これから就職にまで関係してくる学部・学科選び.
慎重に考えて,結論づける必要がある.

順番が逆な気もするが,大学選択はどうするか.
私は機械系しかわからないが,やはりベターなのは東大・京大を始めとする旧帝大(北大は知らない…)だろう.
国や企業から得られる研究費の量が他とは違う.

例えば,私の友人が所属する,最近流行りのマイクロメカトロニクス系の研究室など,研究をするために超高価なクリーンルームを持っている.
逆に,金がなければそのような研究をすることすらできないということだ.

もちろん,他の大学でも独創性のある研究はされているし,私立大学に所属するその道の第一人者も多い.(新規学生を呼ぶために,高給&好待遇で引き抜かれるらしい)
最終的には,自分のやりたいことを決めた上で,その道を既に進んでいる(きた)人に聞くのが最もよいという,TMyama氏の意見に全く賛成である.







好き勝手書きすぎて,まとまりのない長い文章になっているが,三点目:就職まで見据えられるとGood

受験生に就職について言うのは少し酷だけど,やはり後になって後悔しても遅い部分であるから,挙げておいた.
これについては,TMyamaさんの意見に同調します.
そちらを見ていない人は,是非彼のよい話を読んでください.

しかし,就職活動を考えたときに,ここ名古屋は非常によいと常々思う.
東京にも大阪にも行きやすいし,なにより工学部にとっては名古屋が中心になっている産業も多い.

車のT○Y○TAがあるおかげで,車関係の職に就きたい人には理想的土地柄だし,航空宇宙産業も三菱重エがあるのでやはり恵まれている.
企業も地元の大学というのは大切にするので,学校推薦も多い(最近は学校推薦といえど100%受かるわけではないが…).

また,何よりいいところは,大学では講義で外部講師を呼ぶことが多く,その際に地元企業はすぐに来てくれるところ.
おかげで,この名古屋近辺にある企業のお偉いさんは大抵講師に来てくれ,貴重な話を多く聞くことができた.
また,学部3年時の工場見学では遠くまで行かずとも,日本の中心となっている企業を見学できた.

工学系に職を求める人はもちろん,まだ就職先を大阪にしようか東京にしようか迷っている人にも,名古屋はおすすめです.


…と,一応第二の地元を宣伝して,今回の長いエントリはおしまい.
また,バトンに関しては,みんなの隙を見てUPします.
posted by K大 at 23:21 | Comment(0) | TrackBack(1) | 一高合唱部(CMI)
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さらに反響が。
Excerpt: さらなる反応ありがとうございます
Weblog: ばあちゃんと僕。
Tracked: 2005-10-25 01:23