2005年10月20日

《オペラ》二期会・ジュリアスシーザー【壱】

先日,東京にてオペラを見た.
二期会の若手が出演するもので
ヘンデル : 歌劇「ジュリアス・シーザー(エジプトのジュリオ・チェーザレ)」
であった.

演奏はバッハ・コレギウム・ジャパンというところで,私はよく知らないが,有名な団体らしい.
特にチェンバロの演奏が綺麗で,私は初めてこの楽器を生で聞いて感慨深いものがあった.

音楽の母と呼ばれるヘンデルが作ったオペラであり,それなりに有名なのかもしれないが,正直,私には少し退屈だった.
終わったのかと思ったら,しつこく同じような旋律が流れてきて,いつ演奏が終わるのかわからないというのが,そのとき持った感想だ.

このオペラは3幕9場・計3時間に及ぶもので,結論を述べると,私は2幕が終了した時点で帰ってしまった.
別に用事があったわけではない.
ヘンデルの音楽の良さはいまいちわからなくとも,演奏の綺麗さや歌手のうまさなどは感じることができてよかったのだが,あまりに演出がひどかったのだ.公演前に出されるチラシやポスターを見ても,特別な記述はなかったので,当然,ジュリアスシーザーに適した時代衣装や舞台セットで行われるのかと思ったら,とんでもない.

舞台装置は,舞台3面にスクリーンが設置され場面転換に応じてフィルムが投影され,何故か古代ローマと現代ニューヨークが交互に映し出される.
又,衣裳も古代ローマ時代のそれとは違い現代風でジュリアス・シーザーは白のミリタリー調,側に仕える臣下も現代のSP並みの服装またはスーツであって,違和感一杯.
唯一クレオパトラが真っ赤な裾を引きずったロングドレスで,男達を手玉にとる絶世の美女の趣きだが,あまりの統一のなさに見ている私の頭の中は『???』の連続だった.

演出家がどういう意図で舞台を作り上げたのか,今以てさっぱりわからない.
物語そのものは復讐や野望が渦巻く重めのものだと思うのだが,おかしすぎて印象に残っているところをざっと挙げてみると以下のような感じである.

物語はじめは,現代ニューヨークの結婚式.
花嫁花婿が喜びに満ちている中,突然SPたちが現れ,その辺にいた清掃員を含めてその場のみんなに旗を渡し,ジュリアスシーザーの登場に,旗を振らせて無理矢理歓迎.
この清掃員たちはその後もいくつかの場面に現れて,本来なら黒子がやるような,ものを動かしたり,鳥を飛ばせたりという作業をやっていた.
なぜ紀元前後の物語に,清掃員が出てくるのかさっぱりわからない.

セストは,その辺のアイドルorミュージシャン風の出で立ちだった.
度々物語に全く関係ないアイドルの追っかけ女子高生みたいなのが現れて,黄色い歓声を浴びせたり,サインをねだったり,写真を撮ったりしている.
また,突然,舞台上に美容院セットが運ばれて,歌いながら髪の毛をセットしてもらったりもしていた.

プトレマイオスは髪の毛つんつんの,安っぽい映画に出てくる悪役みたいな格好.
歌の合間には,取り巻きに麻薬らしきものを打ってもらったり,紀元前後の時代雰囲気は全くなし.

さらにプトレマイオスの取り巻きが,囚人を連れて行く役を決めるために舞台上でじゃんけんしてみたり,身を投げようとするコルネリアの後ろのスクリーンには吠えるライオンが出てきて,観客の笑いを誘ったり….

私があまりオペラを見慣れていないせいか,今回のような現代風の演出は全く受け入れられなかった.
あまりにひどいので,目を閉じて音楽だけ聴いていると,ヘンデルの魔力にはまって眠ってしまうし,金を払った割にさんざんなオペラであった.

演奏している人たちは若手ばかりとはいえうまかったと思うので,演出1つで見る気をなくしたのはもったいないと思うが仕方ない.

せめてどんな演出がされているかを確認してから行くべきだと,1つ学習した.

満足度は当然,壱.
posted by K大 at 21:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 各種鑑賞
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